幸せを呼ぶフェーヴの世界
 

幸せを運ぶちいさな陶器、フェーヴをご存じですか?

フェーヴとはフランス語で「ソラマメ」を意味しますが、フランスでは毎年1月6日の公現祭に食べられる「ガレット・で・ロア」というケーキの中に隠れている小さなおもちゃのこともフェーヴと言います。直径2〜3cmほどの大きさで陶器製の小さなおもちゃですが、フランスでは誰もが知っているものです。


フェーヴの画像

日本でも最近ではケーキ屋さんやパン屋さんでもこのガレットデロアを見かけるようになりました。フランスでは北部と南部ではレシピが違うようですが、よく見かけるのはパイ生地にアーモンドクリームを挟んだもの。この切り分けたケーキの中にフェーヴが入っていた人は、今日一日「王様・お姫様」になって王冠をかぶり、みんなから祝福されます。家族や友人たちと一年の始まりをこの「ガレットデロア」で祝うのです。


ガレットデロア

ケーキの中からこの小さなフェーブが入っていることで、家族や友人たちと大盛り上がり。 フェーヴは新しい年になるとフランスの人たちに幸福をもたらす小さなラッキーアイテムなんですね。
このフェーブ、手に入れた人はどうしているのだろうと思っていました。もちろん大事に取っておいて、飾ったり財布に入れたり・・・?(お守り感覚?)そう思っていましたら、コレクションしている方が多くいらっしゃることを知りました。1つ3センチほどの小さな陶器ですが、人形や食器、ケーキ、動物等様々な種類があり、各メゾン・工房でつくられる小さなフェーヴは、つい集めたくなる可愛さ! またシリーズになっているものが多く、コレクターがいることもうなずけます。

 

ここではそのフェーヴの魅力にはまったスタッフのコレクションを一部ご紹介します。


イチゴのフェーヴ

● いちごのフェーヴ ●

 

フェーヴは8〜12個のシリーズで作られていますが、ここではイチゴモチーフのフェーヴを集めました。 (左下より時計回り)
・イチゴ
・イチゴアイス
・かごに入ったイチゴ
・イチゴサンデー
・カラフルなバスケットに入ったイチゴ
どれも細かく作られていて、時間を忘れてみてしまいます。 本物のいちごのように種の部分は窪んで表現されていたり、小さなところも手で彩色されていて職人さんが一つ一つ手作りで作られていることがうかがえます。金のカップに入れられたピンクのアイス、この金は本物の金を溶かして塗り焼く方法と、クロモグラフィーと呼ばれるものを貼り焼き付ける方法がありますが、これはクロモグラフィーを張り付けているのかな。厚みがあって安っぽく見えないところがフランスらしく感じてしまいます。同じイチゴにみえても彩色方法が違うので個性がありますね。


マカロンのフェーヴ

● グリーンが鮮やか! ●

 

・ピスタチオのマカロン
・ガトーショコラ
・トリュフ
・すずらんの日ケーキ
フランスらしいグリーンがきれいなフェーヴ マカロンは、ライトグリーンとイエローの配色がセンス良いですし、ガトーショコラは艶々にトリュフはマットに表現されています。 すずらんの日ケーキとは、フランスでは5月1日に愛する人やお世話になった人にスズランを贈る習慣があるそうで、その日にちなんだケーキです。よく見るとスズランが可愛らしく表現されています。



本物そっくりのフェーヴ

● ほんとにありそうなケーキのフェーヴ ●


実際は手のひらほどの大きさもありそうなホールケーキもフェーブでそっくりに作ります。今回同じようなケーキの画像を探したことがとても楽しかったので、フェーブを見ながら「これは○○ケーキかな?」とか「○○店のケーキに似てる」など話しながら楽しむこともできるなと感じました。



シガレット・フェーヴ

● シガレット・リュス ●


もともとはロシアのお菓子だそうですが、私たちにはシガールがなじみ深いので すぐにイメージできるのではないでしょうか。


季節や行事にちなんだケーキ

● 季節や行事にちなんだケーキ ●


1月6日の公現祭のほかにも、バレンタインとか母の日ハロウィンなど。真ん中のブルー・ピンク・グリーンのM&M'sのチョコレートのようなものが乗ってるケーキはイースターのケーキです。


ウェディングケーキ

● ウェディングケーキ、赤ちゃん?これは何のケーキ? ●


ひとつは花婿と花嫁がトップに飾られているのですぐわかりましたが、この赤ちゃんが飾られたケーキは何だろう、、。小さいシュークリームが積み重なった”クロカンブッシュ”みたいですよね。 調べると、、キリスト教の行事「コムニオン」を表現したフェーヴでした。「コムニオン」とは、日本でいう七五三のような行事のようです。かわいい・・・。

コンフィチュール

● ケーキだけじゃない ●


フランスらしいコンフィチュールのフェーヴ。これもイチゴ。もう一つは熊の絵が描かれてるのできっとハチミツですね。 またボトルのフェーブもあります。これはもう絵柄が細かくて何が描かれているか見えません…。 調べるとたくさん出てきます。



調理器具

● 調理器具も ●


かわいいスープポットのフェーヴ。これはフロステージ・パリのものです。 裏にしっかりマークがあります。



リンゴのフェーヴ

● リンゴの種類別 ●


それぞれ裏にリンゴの品種名が記されています。
・グリーンのリンゴ granny smith
・オレンジのリンゴ royal gara
・葉のついた薄いオレンジのリンゴ golden
もう一つはマルシェで売られているバスケットにいっぱいのリンゴです。 リンゴは丸みがあって可愛いですね、イチゴやリンゴは多くみられるのですが、ほかの果物はあまり見られません。


年間に数万個作られているとうフェーヴ、もうモチーフになっていないものはないかもしれませんね。



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参考元:フェーヴ お菓子の中の小さな幸福 磯谷佳江(著)

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